こんにちは
島村竜一です。
今回は自分が作ったmediotasukeが東京AI祭りのファイナルまで進みました。
残念ながら賞をもらうには至りませんでしたでしたが、いくつか使ってみたいというお言葉をいただいたのでこれからも開発を続けていくことにしました。
今回はなぜこのmediotasukeを作ったのかなどを記事にしました。
mediotasukeというのは
「介護現場で、記録作業に追われて利用者と向き合う時間が減っていませんか?忙しい日々の中で、書類作成が負担になり、ケアの質を高める余裕がなくなっている…。そんな悩みを解決するのが、音声AIツール『mediotasuke』です。」
をコンセプトとしています。
目次
1-1 介護の現場でおきている記録の負担とは
介護の現場で働いているみなさん、
お疲れ様です。
気がつけば私の両親も「介護」を受ける立場となり、みなさんの負担が本当に大変なのがわかります。
さらに毎回介護が終わるたびの記録作業大変ですよね?
介護にかぎらないことですがどうしても記録、ドキュメントは書くのが大変です。
よくあるお困りごと
- 書く場所が多い:紙の日誌、事業所システム、申し送り…つい同じ内容を何度も入力しがち。
- “後でまとめて書く”が増える:移動中や勤務後に思い出しながら記録。時間も気力も持っていかれますよね。
- 書式のクセが分かりづらい:自治体や事業所ごとに必須欄が微妙に違って、「どこまで書けばOK?」が曖昧。
- 表現のばらつき:新人さんや外国籍スタッフも増えて、言い回しや用語が揺れやすい。
- 確認が一人に集中:最終チェックや手直しのお願いが中間管理職に偏ってしまう。
いちばんの“つまずき”は「どの欄に何を書くの?」問題
多くの方が口をそろえるのがここ。
こんなことに気をつけると楽に書くことができます。
例:訪問介護・サービス提供記録(抜粋)
- 日時・対応者:開始/終了、ヘルパー名
- 区分:身体介護/生活援助/通院等乗降
- 実施内容:具体的な行動+量や回数(例:更衣、洗髪1回、見守り中心 等)
- 利用者の状態:事実ベース(バイタル、表情、訴え など)
- 特記事項:事故・ヒヤリ、連絡、申し送り
コツ:
- 赤いマーカー=“必ず”埋める欄/黄色=“状況に応じて”、のように色分けルールを作る。
- よく使う表現はサンプル文として貼っておく(例:「立位保持不安定のため移乗は2人介助」など)。
- 共有フォルダや掲示に置いて、誰でも同じ型で書ける状態に。
“だめな例”→“よい例”に置き換えてみる
NG例(ふわっとして伝わらない)
- 「入浴介助OKでした。元気そうでした。」
→ 何をどこまで介助したのか、事実が不足しています。
OK例(読む人にきちんと伝わる)
- 「10:05–10:35 入浴(全身浴)。洗髪1回/背部洗浄/更衣。立位保持不安定のため移乗は2人介助。体調訴えなし、皮膚損傷なし。」
ポイントは3つだけ
- 具体+量や回数や時間を書きましょう。
- **事実(観察)と判断(評価)**を分けて書くと読み手が安心。
- **“いつ・誰が・どうした”**が分かると、監査でも強い記録になります。
みんなで上達する仕組みづくり(ヘルパー会議の活用)
月1回のヘルパー会議を、記録の見える化タイムにしてみませんか?
- 良い記録・直したい記録を匿名で共有
- 用語の統一リストを更新(むせ/咳嗽、臥位/仰臥位 など)
- NG表現チェック表を配布(曖昧語・断定・医行為に見える書き方 など)
- ミニ研修:主語述語、数量・単位の入れ方 などの超基本を15分だけ
“場”をつくると、新人さんもベテランさんも同じ目線で練習できます。少しずつ、でも確実に記録が揃っていきます。
1-2 “第1号/第2号”の2つの文脈をやさしく整理
記事や現場で出てくる**「第1号・第2号」。実は2種類の意味があります。
混ざるとややこしいので、ここでスッキリさせましょう。
- 《区分》としての第1号/第2号(人の属性のこと)
- 第1号被保険者:65歳以上
- 第2号被保険者:40–64歳で特定疾病
→ 制度や給付の話をするときの“第1号/第2号”です。
- 《様式》としての第1号/第2号(書類の型番のこと)
- 例:第1号様式/第2号様式
→ どの欄に何を書くか、必須か任意かが決まっている“書類のタイプ名”です。
これからの記事では
- 《区分》=被保険者の第1号/第2号
- 《様式》=書類の第1号/第2号
と書き分けます。
**《区分》は対象や算定の話、《様式》は“どう記録するか”**の話。ここを分けて考えると、ぐっと分かりやすくなります。
第2章:音声AIを使うと何が楽になるのか?
2-1 音声→テキスト→要約→構造化
パソコンが普及してだいぶ時間が経ちほとんどの人がキーボードになれているとは思いますが。。。。
やっぱり打つよりは話したほうが早いです。
記録を「話すだけ」に近づけるには、4つのステップを軽やかにつないでいきます。
むずかしい設定は不要。まずは“型”を覚えればOKです。
ステップ①:音声をきれいに録る(話者分離の土台)
- 環境:できれば静かな場所。風やエアコン、テレビ音は避ける。
- 話し方:1トピック=1文で。主語(誰が)→動作(何をした)→結果(どうなった)を意識。
- ミニ・ルール:時刻・量・回数は口に出して言う(例:「10時5分に開始、入浴30分、洗髪1回」)。
- 話者分離(あれば):利用者/家族/職員の声を分けると、あとで“誰の言葉か”が残せます。
note(ノート)
マスク越しや車内は音がこもりがち。口元20cmくらいで、はっきり・区切って話すと文字起こし精度が上がります。
ステップ②:テキスト化(用語の正規化)
- 自動文字起こしで、話した内容がテキストになります。
- 表記ゆれをそろえると読みやすさがグッとアップ:
- 例)むせ/咳嗽、臥位/仰臥位、ベッド上/臥床 など
- 数字は数字で(「200グラム」「150ミリ」)。単位の統一もここで。
ワンポイント
「見守り中心」「更衣は自立」「立位保持不安定」など、よく使うフレーズは辞書登録しておくと自動整形が安定します。
ステップ③:要約(粒度をそろえる)
用途によって要約の粒度を変えましょう。
- 日誌・申し送り:箇条書きで短く。
- 例)「10:05–10:35 全身浴/洗髪1回/移乗2人介助/体調訴えなし」
- 計画・評価:観察→評価→方針の3段で。
- 例)観察:「むせなし。自力でスプーン把持」
評価:「食形態は全粥で安定」
方針:「見守り中心で自立促進、固形は引き続き慎重」
- 例)観察:「むせなし。自力でスプーン把持」
失敗しがちポイント
ふんわり要約に注意。「多分」「だいたい」「良さそう」は後で自分が読んでも分からないことが多いです。事実→評価の順で整理するとブレません。
ステップ④:構造化(様式の欄に“自動で寄せる”)
最終ゴールは、公式様式の“欄”に合わせて情報が並ぶこと。ここで“マッピング”が効きます。
[発話例]
「10:05から全身浴。洗髪は1回。立位保持が不安定で移乗は2人介助。
昼食は全粥200g、むせなし。食後、本人確認の上で内服。」
↓ 自動マッピング(例)
・サービス提供記録 > 日時/対応者:10:05–10:35 / 介助者:2名
・サービス提供記録 > 実施内容:全身浴、洗髪1回、背部洗浄、更衣
・サービス提供記録 > 留意点:立位保持不安定 → 移乗は2人介助
・食事記録/日誌 > 摂取量:全粥200g、むせなし
・内服 > 確認:本人確認の上で内服
- 人が最終確認:AIが候補欄を提案 → 人が確定。
- **欄ごとの“必須/任意”**を辞書化しておくと、抜け漏れ警告が出せます(「開始時刻が未入力です」など)。
- 禁則チェック:曖昧語・医行為に読める表現・主観過多のフレーズを検出して、置き換え候補を出すと安心。
第3章:mediotasukeとは
先日なんと東京AI祭2025(https://www.aisai.tokyo/)に応募したところファイナルまで生き残ることができました。

今回介護の仕事で中間管理職の人が使う想定で作成をさせていただきました。
現場で介護の音声を録音する。
録音した音声をLINEで中間管理職の人に送る。
事務所にて中間管理職の人が音声から文字おこしをするイメージで作成しています。
もちろんただ文字おこしをするのではなく、現場のプロの方が監修したデータを元に使える文章を生成するのが特徴です。
当日プレゼンに使用した資料はこちら
クリックすると次のスライドを見ることができます。
東京AI祭りの会場となったのはなんとあのABEMA Towers



当日の様子はこんな感じです。
後夜祭の様子はこんな感じです。


まとめ mediotasukeの開発は続けます!
最初は東京AI祭りのファイナルにだすためだけに作った。
mediotasuke!
でもだしてみていくつか使ってみたい!販売代理店をしたいとの声をいただいたので
本リリースにむけて開発を続けています。
リリースすることにより
すこしでも忙しい現場の役に立てれば嬉しいです。
すこしでも「mediotasuke」に興味を持たれた方は問い合わせフォームからお問い合わせください。
現在アフリエイト機能を準備中ですので販売代理店の方も大募集中です。
では次のブログでお逢いしましょう。
仕事の生産性をあげるためさまざまな方法を試しました。その結果UiPathにたどり着き現在UiPathを使った業務効率化の開発、講師の仕事をしています。
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