こんにちは 島村竜一です。
読書や勉強で学んだことを、いつの間にか忘れてしまっている。会議で出た良いアイデアを、後から思い出せない。そんな経験はありませんか? 人間の脳は、残念ながら驚くほど忘れっぽくできています。しかし、その「忘れる」という悩みを根本から解決し、得た知識を財産に変える画期的な方法があります。それが「第二の脳」を構築することです。
この記事では、なぜ私たちが忘れてしまうのかという脳の仕組みから解き明かし、デジタル時代における最強の知識管理術「第二の脳」の概念、そしてそれを実現するための最適なツール「Obsidian」について徹底解説します。もう知識を失うことから解放され、アイデアが有機的につながる感覚を、あなたも体験してみませんか?
目次
この記事を読んでほしい人
- 読書や学習で得た知識をすぐに忘れてしまい、自己嫌悪に陥っている方
- 仕事や趣味で得た情報を整理し、今後の活動に活かしたいと考えている方
- メモは取るものの、後から見返しても意味がわからなくなってしまう方
- NotionやEvernoteを試したが、しっくりこなかった経験がある方
- 自分だけのオリジナルな知識データベースを構築したい方
なぜ私たちはすぐに忘れてしまうのか?記憶の仕組み「忘却曲線」とは
「どうして自分はこんなに忘れっぽいんだろう…」と悩む必要はありません。忘れることは、人間の脳にとってごく自然な機能だからです。ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが提唱した「忘却曲線」という有名な理論があります。
この理論によれば、人が何かを学んだ後、記憶は驚くべき速さで失われていきます。
- 20分後には、42%を忘れる
- 1時間後には、56%を忘れる
- 1日後には、74%を忘れる
つまり、せっかく時間をかけて学んだことの4分の3近くを、たった1日で忘れてしまうのです。これは、脳が重要でないと判断した情報を自動的に整理し、新しい情報を入れるためのスペースを確保する仕組みによるもの。言い換えれば、私たちの脳は「覚える」ことよりも「忘れる」ことの方が得意なのです。
この事実を受け入れることが、知識管理の第一歩です。自分の記憶力だけに頼るのではなく、忘れることを前提とした「外部の仕組み」に頼る必要があります。その仕組みこそが、次にご紹介する「第二の脳」なのです。
忘れっぽい悩みを解決する「第二の脳」という考え方
「第二の脳(Second Brain)」とは、自分の脳の外側に、知識やアイデアを保存・整理・活用するための信頼できるデジタルシステムを構築するという考え方です。単なるメモの保管庫ではありません。第二の脳の目的は、情報を有機的に結びつけ、新たな発見や創造的なアイデアを生み出すことにあります。
脳が記憶の維持に使っていたエネルギーを解放し、本来の役割である「思考」や「創造」に集中させる。これが第二の脳がもたらす最大のメリットです。
具体的には、以下のような役割を果たします。
- キャプチャ(収集): 気になった情報、思いついたアイデアをすべて記録する。
- オーガナイズ(整理): 情報を構造化し、後から見つけやすいように整理する。
- ディスティル(抽出): 情報の本質を見抜き、自分にとって重要なポイントを要約する。
- エクスプレス(表現): 蓄積した知識を組み合わせ、ブログ記事や企画書など、新しい価値としてアウトプットする。
このサイクルを回すことで、情報は単なる記憶ではなく、いつでも引き出して使える「知恵」へと昇華します。そして、この第二の脳を構築する上で、現在最も注目されているのが「Obsidian」というツールなのです。
なぜObsidianが「第二の脳」として最適なツールなのか
世の中には多くのメモアプリや情報管理ツールがありますが、なぜObsidianが「第二の脳」の構築に最適なのでしょうか。その理由は、他のツールにはない独自の思想と機能にあります。
知識が有機的につながる独自のリンク機能
Obsidian最大の特徴は、メモ同士を簡単につなげられる「双方向リンク」機能です。メモを書きながら、関連する単語を [[ ]] というカッコで囲むだけで、その単語をタイトルにした新しいメモページへのリンクが自動で作成されます。
これにより、情報はフォルダの階層構造に縛られることなく、網の目のように自由につながっていきます。例えば、「忘却曲線」というメモの中に [[第二の脳]] というリンクを作っておけば、「忘却曲線」のページからも、「第二の脳」のページからも、お互いのメモに一瞬でアクセスできます。
この繋がりは「グラフビュー」機能によって可視化され、自分の知識がどのようにネットワーク化されているかを一目で把握できます。点として散らばっていた知識が線で結ばれ、やがて面となっていく。このプロセスこそが、予期せぬアイデアの発見や深い思考を促すのです。
データを自分で管理できるローカル保存の安心感
多くのクラウド型ツールとは異なり、Obsidianのデータはあなたのパソコン内の特定のフォルダに、Markdown(マークダウン)というシンプルなテキスト形式で保存されます。これは非常に重要なポイントです。
特定の企業のサーバーにデータを預けるわけではないため、プライバシーが完全に保護されます。また、万が一そのサービスが終了したり、大幅な仕様変更や値上げがあったりしても、あなたのデータが失われる心配はありません。10年後、20年後もアクセスできる永続性が保証されているのです。
もちろん、オフライン環境でもサクサク動作します。自分の知識という最も大切な資産を、自分自身の手で完全にコントロールできる。この安心感は、長期的な知識管理において何物にも代えがたいメリットです。
豊富なプラグインで自分好みに無限に拡張できる
Obsidianは、そのままでも十分に強力ですが、「コミュニティプラグイン」によって機能を無限に拡張できる点も大きな魅力です。世界中のユーザーが開発した便利なプラグインを、ワンクリックで簡単に追加できます。
例えば、
- カレンダー機能を追加して、日々の記録を管理する
- タスク管理機能を追加して、プロジェクトを進める
- マインドマップやカンバンボードを作成する
- 他のアプリやサービスと連携させる
など、その可能性は無限大です。まるでレゴブロックのように、自分の使い方に合わせて機能を組み合わせ、自分だけの「最強の思考ツール」へと育て上げていくことができます。
他の人気ツール(Notion・Evernote)との違いを比較
Obsidianの魅力は、他の人気ツールと比較することで、より鮮明になります。ここでは、代表的なツールであるNotionとEvernoteとの違いを、「誰に何が向いているか」という視点で解説します。
Notionが向いている人:チームでの情報共有やタスク管理
Notionは「オールインワンワークスペース」と称されるように、ドキュメント作成、データベース、タスク管理、Wikiなど、あらゆる機能を一つに統合したツールです。
- 強み: チームでのリアルタイム共同編集、柔軟なデータベース機能、豊富なテンプレート。
- 最適な用途: 複数人でのプロジェクト管理、社内情報共有ページの作成、タスクとドキュメントの一元管理。
- 位置づけ: チームで情報を整理し、プロジェクトを推進するための「司令塔」。
Evernoteが向いている人:Web情報のクリップと検索
Evernoteは、デジタルノートアプリの草分け的存在で、外部情報の収集と検索に非常に優れています。
- 強み: 高機能なWebクリッパー、画像内の文字まで検索できるOCR機能、あらゆるデバイスからの手軽なアクセス。
- 最適な用途: Web記事、PDF、名刺、手書きメモなど、あらゆる情報のスクラップ。
- 位置づけ: 気になった情報を何でも放り込んでおける「デジタルな情報倉庫」。
Obsidianが向いている人:個人の思考と知識を深めたい
Obsidianは、NotionやEvernoteとは異なり、個人の内なる思考を整理し、知識を育てていくことに特化しています。
- 強み: メモ同士の繋がりを重視したリンク機能、ローカル保存によるデータ所有権とプライバシー、高いカスタマイズ性。
- 最適な用途: 読書メモ、学習記録、アイデアの醸成、論文執筆など、自分自身の知識を体系化する活動。
- 位置づけ: 知識をつなげて新しい発見を生み出すための「思考ツール」であり「第二の脳」。
どのツールが優れているというわけではなく、目的によって最適な選択肢は異なります。もしあなたが「個人の知識を深め、思考の質を高めたい」と考えるなら、Obsidianは最高のパートナーになるでしょう。
今すぐ始められるObsidian入門の3ステップ
Obsidianは高機能ですが、始めるのは驚くほど簡単です。専門的な知識は不要で、たった3つのステップで、あなたも今日から「第二の脳」の構築をスタートできます。
ステップ1:公式サイトからアプリをインストールする
まずは、Obsidianの公式サイトにアクセスし、お使いのOS(Windows, Mac, Linux)に合ったアプリをダウンロードしてインストールします。インストールは数分で完了します。もちろん、個人利用は完全に無料です。
ステップ2:保管場所となる「Vault」を作成する
アプリを初めて起動すると、「Vault(ヴォルト)」を作成する画面が表示されます。Vaultとは、あなたのメモがすべて保存される場所のことで、実体は単なるパソコン上のフォルダです。「Create new vault」を選択し、好きな名前を付けて、パソコン内の好きな場所に作成してください。これだけで準備は完了です。
ステップ3:日々のメモを書き、単語を[[ ]]で囲んでみる
準備ができたら、早速メモを書いてみましょう。難しく考える必要はありません。今日学んだこと、読んだ本の一節、ふと思いついたアイデアなど、何でも自由に書き留めてください。
そして、メモを書いている途中で、後で深掘りしたいキーワードや、他のメモと関連付けたい単語が出てきたら、その単語を [[ と ]] で囲んでみてください。例えば、「エビングハウスの[[忘却曲線]]は…」のように入力します。
すると、[[忘却曲線]] の部分の色が変わり、クリック可能なリンクになります。このリンクをクリックすれば、「忘却曲線」というタイトルの新しいメモページが作成され、2つのメモが繋がります。
この簡単な操作を繰り返すだけで、あなたの知識は自動的にネットワーク化されていきます。まずはこの「囲んで、つなげる」感覚を楽しんでみてください。
まとめ
私たちは、脳の仕組み上、忘れることから逃れられません。しかし、その事実を嘆く必要はもうありません。「第二の脳」という考え方を取り入れ、Obsidianという強力なツールを使えば、「忘れる」という弱点を克服し、得た知識を一生の財産として蓄積・活用していくことができます。
Obsidianは、単なるメモアプリではありません。点在する知識をつなぎ合わせ、新しいアイデアを生み出すための、あなたの思考を拡張するパートナーです。最初は難しく感じるかもしれませんが、まずは簡単な3ステップから始めてみてください。メモを書き、[[ ]]でつなげる。その小さな一歩が、あなたの知的生産性を劇的に変える大きな飛躍につながるはずです。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次のブログでお逢いしましょう
仕事の生産性をあげるためさまざまな方法を試しました。その結果UiPathにたどり着き現在UiPathを使った業務効率化の開発、講師の仕事をしています。
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